なぜ書くのか。それは、人に言葉があり、私に心があるから。
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生野銀山
2012-07-02 Mon 00:02
土曜日、沢登りをしに兵庫県まで遠出したものの、山に着くと雨がパラパラ。大阪では晴れ間もあったが、広島から来た人が「雨の中を来た」と証言したので、メインの雨雲はこれからこっちに来ると判断。沢登りはどうせ全身が濡れるので、雨に濡れることは構わないが、もっと降っているかもしれない上流から鉄砲水が来て、登攀中に流される危険性がある。やむなく沢登りは中止した。

さてどうしようとなり、近くの生野銀山鉱山跡へ行くことになった。洞窟好きの私にはもちろん異論はない。生野銀山は、なんと平安時代初期の807年から開坑1200年を数える鉱山だ。最盛期には「銀の出ること土砂のごとし」と書き残されていて、佐渡金山や石見銀山と共に戦国~江戸時代の貨幣体制を支える鉱山となった。明治以降は三菱によって経営され、屋根瓦にさえ三つ菱紋が輝くが、資源枯渇により1973年に閉山された。


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地下世界における光と闇のコントラストがたまらない

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販売用と近くの小学校の卒業記念品(二十歳になったら飲むそう)

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数え切れない人間のノミと槌によって掘られてきた坑内

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大人が這いつくばってやっと進める高さの通路と仕事場

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代わってこちらは近代の掘削機跡が弾痕のように残る

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一枚板の形をしている鉱脈を掘りつくした後に残る空間

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EVAのネルフの地下基地がこんな形をしていたような…

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坑内の気温はたったの13度、出ると眼鏡がしっかり曇った





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篭城中
2012-06-17 Sun 03:44
先週の木曜日から喉が腫れ出し、咽頭扁桃炎にかかり、自宅謹慎を強いられている。熱も下がったし、水を飲むたびにナイフで切られるような(もちろん切られたことないですけど)扁桃腺の腫れも引いてきたが、抗生物質で抑えているだけなので、元々あった予定も新たなお誘いも断って、丸三日間も家に閉じこもっている。(原因のウイルスによっては飛沫感染の可能性もあるしね)

暇なので、掃除をしたり、たまった本を読んだり、ネットで動画を見たりしている。(なんだかこのまま仙人になれそうだ) そのうちの『鋼の錬金術師 劇場版第2弾~ミロスの聖なる星~』の感想でも。

2010年に完結したハガレンの人気はとどまる所を知らず、掲載誌の売れ切れによって最終回が重複掲載された事は有名だが、原作が完結した一年後にオリジナル・ストーリーの劇場版が公開されるほどだ。しかし、あくまでオリジナルなので、「俺たちは必ず○○を取り戻すんだ!」というエルリック兄弟の誓いに対して、「いや、もう取り戻したじゃん!」というツッコミをしてはいけない。(原作未読の方のために伏せます。ほぼムダかも…)

「ミロスの聖なる星」では、監督とキャラデザ・総作画監督がスタジオジブリに関わったスタッフということで、その背景やアクションの爽快さはまさにジブリ・クオリティと呼ぶべき素晴らしいアニメ映画となった。高い架橋の上を走る汽車での格闘シーンとか、ヨーロッパの下町のような街の描写とか、ワイヤーにつかまって空を飛ぶとか、人のよいおじいちゃんと健気な子供たちとか、床が抜けて大量に落ちていく兵隊たちとか…「あれ、なんか後ろにラピュタが見える」と思った人は絶対かなりいるはず。

しかし、そこへ重いテーマを込めるのがハガレン。主人公たちのいるアメストリスとその西の大国クレタに挟まれて滅ぼされたミロスの国、劣悪な環境の谷底で生きるミロスの民、ミロスの独立と国土を取り返すために戦う少女ジュリアは、賢者の石を使って問題を解決することに強硬に反対するエドに向かって「それはあなたたちの国が強いから!いつ殺されるのかと怯える必要なんかないから!」と叫ぶ。この民族解放の問題に答えが出されたわけじゃないけど、こうしたテーマを正面から取り上げるのがハガレンらしい。

このまま名探偵コナンのように毎年映画が公開されないものだろうか。





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キングの新作
2012-05-04 Fri 23:56
世の中に楽しみは多いが、そのうちの一つがスティーブン・キングの新作を読むことである。アメリカへ行ったのだって、キング作品を通じて触れた繁栄と退廃の同居するあの国の空気を実際に自分の目で確かめたかったからだと言える。特に私は短編集が好きで、中高時代に読んだ『深夜勤務(Night Shift)』や『骸骨乗組員(Skeleton Crew)』への思い入れはとても深い。そのキングの最新の短編集が『Just After Sunset』だ。

キングの短編には荒唐無稽なものも多い。どちらかと言えば「真面目に怖いもの」よりも、「なんだそりゃ~!」という設定とオチを持つものが多いのが特徴で、しかしそのクセの強い味わいがやみつきになってしまう。『Just After Sunset』にも、とてつもなく変だけど私のツボにはまった作品があった。『Stationary Bike』という短編だ。

主人公の男は太り過ぎであることを医者から警告され、心機一転してダイエットに励む。大好きなクリスピー・クリームのドーナツを断ち、コカコーラをトマトジュースに変え、さらには地下室にエアロバイクを設置した。ただコンクリートの壁を眺めるよりはと風景画を壁に貼って、毎日エアロバイクに精を出すが、やがて絵の中の世界に呼び込まれるようになり、そこで殺気立った男たちに追いかけられる。ある日ついに追いつかれて、現場作業員の格好をして“脂質”と書かれた帽子を被った彼らに取り囲まれる。「お前がダイエットしているせいで我々の仕事がなくなった」「子供の教育費も家賃の支払いもできない」「仲間のカルロスは生活苦でショットガン自殺した。お前が殺したんだ」「いいか、我々の生計を奪うな!」と口々に叫ぶ“脂質会社”の作業員たち。そして、現実世界に戻った主人公はダイエットをやめるという話。

この話の深いところは、(自分の体内にいるらしい)脂質会社の作業員に取り囲まれて「こんなことあるはずない!」と混乱する主人公に、作業員の一人がこう言うくだりだ。「ならあんたはどうなんだ?それを考えたことはあるか?どこか他にここよりでかい世界があるとは思わないのか?あんた自身が、実はどっかの誰かのほんの一部でしかないと。」こんな別の層の世界が見えちゃうなんて、やっぱりキングは天才じゃないかと思う。





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雪の堂満岳
2012-02-23 Thu 00:04
滋賀県にある比良山系・堂満岳(1057m)は、琵琶湖を眼下にのぞむ山である。先週の日曜日、会社の山岳部とスノーハイクに訪れ、雪まみれになってきた。


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JR比良駅より比良山系を眺める。分厚い雪雲が山の上半分を包んでいた。

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急坂の登りで足が雪に沈んで進まず、頭の中で“荒野より君に告ぐ~”がかかる。笑

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頂上近くの稜線に出て景色を楽しむ。珍しく風もなく快適だった。

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下りも太腿までの雪。新雪に埋もれながら進むのは水中ウォークのよう!

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傾斜がきつすぎて転がり落ちるとこういう事に。私もこんなんでした。

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下りてきてようやく雲が晴れ、青い琵琶湖を遠くにのぞむ。





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ショーシャンク
2011-12-18 Sun 00:34
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このカットのポスターをずっと部屋に貼ってました

ぴあが30~40代の男女1万1000人に聞いて好きな映画を調査したところ、第1位は「タイタニック」、2位は「ハリー・ポッター」シリーズ、3位は「ショーシャンクの空に」だったという。タイタニックとハリポタはいかにも金をかけた巨編であるため、「ショーシャンクの空に」の健闘ぶりはすばらしい。(でもアメリカでこの映画のタイトルをあげても、知っている人はほとんどいなかった。)

「ショーシャンクの空に」(原題:The Shawshank Redemption)は、あの「スタンド・バイ・ミー」も収録されている中編集『恐怖の四季』の最初の一編で、小説の原題は「刑務所のリタ・ヘイワース」である。製作当初、原題に合わせて「Rita Hayworth and Shawshank Redemption」というタイトルにしたところ、1940年代に活躍した女優リタ・ヘイワースの伝記映画と勘違いする人が多く、募集してもいないのに「オーディションに来ました。ぜひリタ役をやらせてほしい」と来る女優までいる始末で、「The Shawshank Redemption」に縮めたという。

私もこの作品は大好きで、原作者であるキングのファンでもあるため、原書も日本語訳も読み、映画のDVDを持っている。よく覚えているセリフは、レッドが刑務所の壁を指して「最初は誰もがこいつに反発するが、やがては慣れて、頼っていくようになるんだよ。しまいにはこいつなしじゃいられなくなるんだ。」その言葉を証明するように、長い服役の後に釈放されたブルックスは社会になじめずに自殺をしてしまう。刑務所の壁じゃなくても、誰にもこういうものはあるはずだ。大人になるというのは、不自由や制約に頼るようになっていくことだという気がする。

ちなみに、「キング作品は、感動ものは映画化されると成功するが、本業であるホラーものは映画化されるとなぜかB級になる」というのが私の持論なのだが、この作品はそれをさらに確信させるものである。やっぱりキングの作り出す緻密なホラーは小説で読んで、想像力を働かせて怖がるのが一番なのだろう。





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池田屋異聞
2011-12-14 Wed 22:28
「年末といえば!忠臣蔵ですね~」とテレビが言っていたので思い出した。忠臣蔵とはもちろん、元禄15年(西暦1703年)の赤穂四十七浪士の吉良邸討ち入りをいう。でも実は、大変だったのは討ち入った浪士たちよりも討ち入らなかった浪士たちだ。当時、赤穂藩は300家以上の武士を抱えていた。つまり、差し引きすると250家以上は討ち入らなかったのだ。

司馬遼太郎の『新選組血風録』に収録されている「池田屋異聞」という短編ではこのテーマを扱っている。新撰組監察として活躍した山崎烝(すすむ)は、小さい頃より自分が周囲から冷たい扱いを受けていることに気付いていたが、父が亡くなる時に家系の秘密を知らされる。「我が家は本当は武士なのだ。赤穂藩家臣、奥野将監の子孫だ」と。奥野将監は、大石内蔵助に次ぐ石高をもらっていながら、大石が討ち入りを決めた後に脱盟した。四十七士が討ち入って果てた後、討ち入らなかった旧赤穂藩の武士は「不忠義」「犬畜生にも劣る」と差別を受け、近所からみそやしょうゆさえ売ってもらえなかったという。

そんな折、山崎は人並みならぬ努力によって剣術の皆伝を得るが、ある日道場に大高忠兵衛という具足屋が現れる。討ち入りに参加した赤穂浪士・大高忠雄の子孫と称する彼は人々の尊敬を集め、藩主にさえ滞在を乞われる人物だった。山崎は最初から傲慢な態度の大高が気に入らない。しかし、ひそかに好きだった道場主の娘さえ自分には冷たくして大高に惚れたのを見て、やり切れなくて道場を飛び出す。

それから数年後、新撰組が討幕派の密会を急襲した池田屋事件の夜、新撰組隊士として池田屋に飛び込んだ山崎は、そこで密会していた攘夷浪士の中に大高忠兵衛の姿を見つける。「やはり忠義も知らぬ犬畜生の子だな!」と大高から罵られた山崎は激昂し、「将監さまご覧じろー!」と無我夢中で叫びながら大高を斬り倒す。


と、いうのがあらすじ。すごく印象深い話で、『新選組血風録』の中でも好きな短編ベスト3に入るのだが、実はコレは司馬遼太郎の創作である。山崎烝は別に赤穂家家臣の子孫だったわけではないらしい。がっくり。






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フォークロック
2011-11-28 Mon 17:46

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Mumford & Sons at Live

オンラインラジオを聞いていて好きになったMumford & Sonsは、イギリスのフォークロックバンドで、"Little Lion Man"や"The Cave"が有名。4人のメンバーはそれぞれ色々な楽器ができて、ギター・コントラバス・キーボード・アコーディオン・バンジョ・マンドリンなど、本来の意味でのフォーク(民俗的)らしい音色をかもし出す。

作曲者の個性を反映してか、歌詞には文学的要素がふんだんに込められ、シェークスピア(やっぱりイギリス人だから)やジョン・スタインベックの作品の引用、さらには思いっきり時代をさかのぼって古代ギリシャの叙事詩『オデュッセイア』までもをモチーフとしている。これに対して、ボーカルのMarcus Mumfordは、「You can rip off Shakespeare all you like, no lawyer's going to call you up on that one.(シェークスピアだったら、どこかの弁護士から電話がかかって来ることもなく好きに使ってもいいからね!)」と言っている。


「In these bodies we will live, in these bodies we will die.
Where you invest your love, you invest your life.」
"Awake My Soul" Mumford & Sons


彼らはライブで演奏(gigs)することが大好きで、それが音楽をやっていて一番素晴らしい瞬間だと答えている。Mumford & Sonsの曲を聴いていると、その昔、質素で勤勉な農民らが自分の楽器を夜のパブに持ち寄って、エールビールを飲み干しながら、気さくかつ熱烈に演奏し歌っているような楽しげな姿が伝わってくるような気がするのだ(想像)。アーティストとはかくあるべし。





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かもされニシン
2011-11-20 Sun 01:44
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漫画というのは勉強になる。菌類と発酵食品文化の伝道書のような『もやしもん』でおそらく有名になったであろう(それとも元々有名で私が知らなかっただけ?)“世界一臭い食べ物”がこのシュールストレミング (Surströmming)である。スウェーデンで伝統的に食べられているニシンの塩漬けの缶詰で、まぁとにかくとんでもなく臭いらしい。名前の直訳は「酸っぱいニシン」。

この食品の特徴は、缶詰にしてからも中では嫌気細菌による発酵が進行していて、常温で放っておいたら発酵によって出るガスで段々缶が膨らんで、最後には爆発するそう。気圧の変化によっても爆発する恐れがあるから、空路による持ち込みは禁止されている。漫画でも武藤が浮浪者に身をやつしながら(花の女子大生なのに…)陸路で持ち帰ったし、実際にスウェーデン留学していた友人も空路禁止と聞いてお土産に買うのをあきらめたという。

クサヤにしろ納豆にしろ発酵食品は多かれ少なかれ臭いが、シュールストレミングの場合はダントツで、臭気指数で表すとクサヤの8倍、納豆の20倍ぐらい臭い。世界一と言われる所以だ。ゆえに室内で缶を開けると1ヶ月ぐらい部屋が使えなくなるため、屋外の水を張ったバケツの中で開けるものらしい。日本に輸入された缶詰には日本語の注意書きが書いてあるが、なんと赤い字で「化学兵器と誤解されて騒動を起こすかも知れません」とあるのをネットで見た。もはやテロだな。

このスウェーデン本国ではギリセーフでも他の国ではたぶんギリアウトな食品、お目にかかる機会があればぜひ。





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LUMIXとIXY
2011-11-02 Wed 23:37
デジカメのハードウェア面についての話。ずっと大きなライカレンズが目立つ古いLUMIXを愛用し、写真好きの評判を得ていた私だったが、父が忘年会の抽選でCANONのIXY(手の平サイズの普及型デジカメ)を当ててそれをくれたので、最初はもの珍しくて使っていたらその軽量さの誘惑に勝てず、今ではもうそれしか使わなくなってしまった。何より小さなカバンに入るのがいい。今までは絶対にLUMIXのバッグが別にあったから。


これはIXYのピント合わせによる効果を試した写真。

(1)約30cm先にピント
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(2)約100cm先にピント
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こうやって手の平サイズのデジカメでも、シャッター半押しなどちょっと工夫すればマニュアルフォーカス並みの遊び方ができてしまう。小さな普及型デジカメと、一眼レフを主とする大きなプロっぽいデジカメを比べた場合、今は小さなやつでも画素数では遜色ないし、フォーカスや露出の調整はある程度(パンピーが遊ぶ程度には)できるし、色再現性はそりゃ一眼レフにはかなわないものの、機動性(持ち運びが楽なこと)では圧倒的に優位に立つ。というわけで、一度小さいのを使い始めたら手放せなくなったという、ギアへのこだわりなきカメラマンなのだった。





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ルー=ガルー2
2011-10-31 Mon 23:45
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例によってどえらい厚さ!


前にレビューした「ルー=ガルー/忌避すべき狼」から10年ぶりに書き下ろされた続編、「ルー=ガルー2/インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔」が出された。めちゃくちゃ楽しみにしていたのはもちろん、もはや本当に出たこと自体が夢のような続編なので、私には珍しいことに発売日に買いに行った。分厚いレンガ本を書くことで有名な京極夏彦氏の中でもマイナーなシリーズの作品なので、おそらく知っている人も読んだ人もあまりいないだろうが、読んだからにはレビューしましょう。でも登場人物を伏せて書くのは難しいので、ネタバレしてもいい前提で書きます。

メジャーな方面のレビュー(美緒の活躍がひたすら爽快だとか、鍵となる毒というのが京極堂シリーズの『邪魅の雫』とつながってるやん!とか)は既出なので、気になった一点のみ取り上げる。それは、物語の核心ともいえるルー=ガルーの名を背負った14歳の少女のこと。ルー=ガルー(loup-garou)はフランス語で狼男を指し、作中では「行き遭った者を屠る」という前置きがついて、要するに殺人者のことである。

この少女はこの上なく賢くて理知的であるにも関わらず、「手にナイフがあって、目の前に首があって、上に満月があって、“ああ、今だ”と思って、気付いたら相手を殺してしまった」という想像しにくいキャラクター性を与えられていて、一作目では己の罪を模索して悩み苦しむ様子が描かれる。(というか、京極夏彦のミステリー作品では、どれも通常の理由ではない殺人が登場する。金銭がらみだとか痴話喧嘩だとかいう俗な理由は絶対出てこない。そのせいで、現実世界が舞台であってもファンタジー性の強い印象が残る。)

ところがこの二作目では、その少女は(色々その場での理由があるにせよ)さくさくと大量殺人をやってのけ、しかも警察部隊の手に負えない敵の強化人間が束でかかってきても、苦もなくバッタバタ倒していくほど強い。そんな大暴れをした後に、「刑事さん、今度こそ僕を裁いてください」「相手が誰でも、殺してはいけないでしょう」と懇願するが、まったく統一性がなくてしっくりこない!あー、大事なところだけにもやもやするっ。





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