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宮本輝の不倫小説
2007-12-07 Fri 03:24
たまたま人からもらった本の中で、宮本輝の短編集が2冊あったので読んでみた。「胸の香り」と「真夏の犬」という本だ。私はまったく知らなかったのだが、宮本輝というのは40歳までに太宰治賞、芥川賞、吉川英治文学賞を取った有名な作家らしい。

まず最初の勘違いは、名前から作者を女性だと思ったことだった。表紙の絵がその印象を持たせたのかもしれない。しかし読んでみると、妻には仕事といって九州に来ている中年の男が、自分の子供を妊娠したという不倫相手が来るのを旅館で待っていて、明らかに女性の書く話じゃなかったから、やっと作者が男だと気が付いた。この人の小説の特徴は、一見してすぐに私小説だとわかることで、これほど「私」な小説もそうそうないと思うほどだ。

そして、2冊で計16篇の短編を読んで思ったのは、読めども読めども不倫の話ばかりであること。自分が不倫、父親が不倫、あるいは母親が父親の不倫を語るなど、どの話にも必ずそれが出てくる。この人の作品には、父親の不倫、事業の失敗、両親の不和、貧乏、母親のアルコール中毒、自殺などの要素が頻繁に登場するが、やはりそれらは全て宮本輝自身が経験した半生そのものだった。

それから、私が読み始めてすぐに男の作者だなと気付いたように、男の視点で書かれている部分が多い。不倫相手の女性に「子供が出来ても俺は絶対に認知しない。生んでもいいが俺の家庭に一切迷惑をかけるな」と念を押しつつ関係を持つことや、混血の美女をめぐる不良仲間同士の駆け引きの挙句に「結局俺ら4人全員彼女とやれたんだからめでたしめでたしや」と言ったり、不倫関係を断つための最後の旅行で妻子持ちの男が女に「お前にいつか好きな奴が出来るまでやっぱり俺たちは続けよう」と説いたり…。

いや、これが現実と言われればそうなのかもしれないが、書いている作者は男が身勝手だと思わないのだろうか?やはり、男と女の世間の見方には埋まることのない溝があるんだろうか。

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