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帝国軍人の反戦
2008-02-28 Thu 08:36
今日も教習所では二回乗って二回みきわめ「不良」をもらい、もはやオーバーしすぎて全ての欄が埋まってしまったので新しい紙をもらうという面白い事が起きたが、もうそれはいいや…。

昨日のNHK「その時歴史が動いた」で“軍服を脱いだジャーナリスト”として取り上げられた人物が水野広徳だった。1875年(明治8年)に愛媛県松山市に生まれ、1905年に海軍大尉として日露戦争の日本海海戦に従軍、水雷艇長として活躍した。その後、ロシアのバルチック艦隊を退けたこの海戦を克明に描写した『此一戦』を出版し、大ベストセラーになる。この時はまだ軍拡主義を支持し、「小国の富は大国の餌となる。強大な軍隊を持つ強国になるべきだ」と書いている。

しかし水野は1916年に第一次世界大戦後のヨーロッパを視察し、民をすべて巻き込み国を焦土と化した近代戦の結果に愕然とする。その際、肉轢き機と称された激戦地ヴェルダンにも訪れている。ヴェルダンでは、史上初めて領地の奪取ではなく相手国の人員物資の損耗を目的とした「消耗戦」が戦われ、ただ死ぬためにフランス・ドイツ双方で25万人以上が死んだ。水野は書く。「20世紀における科学文明の精粋を集めて満4年の間、破壊と殺戮とをほしいままにしたる戦いの跡は、見るも悲惨、聞くも悲哀、まことに言語の外である。村落は壊滅し、住民は離散し、家畜は死滅し、満目これ荒涼、惨として生物を見ない。」彼は軍人のあり方に悩み、180度考えを変えて非戦・平和論を掲げるようになる。

帰国後、海軍大佐だった水野は剣を解き軍服を脱いだ。「いかに戦いに勝つかではなく、いかに戦いを避けるかが軍人の本責である。」「国民を守るべき軍隊が戦争によって国民に犠牲を強いるのは間違いだ。」評論家となった水野は、日露戦争の勝利によって自信をつけて世界の“一等国”にならんと軍備増強を進めていた軍部に真っ向から反対を唱えた。1924年の時点で日米開戦を予測し、そうなれば日本の敗北以外にないから戦ってはならないと主張する。「海上より飛来する100機の飛行機が一夜にして東京全市を灰燼に帰すであろう」とまで予言した。

しかし軍部の力が強まり言論統制が敷かれると、水野の発行する本は次々と発行禁止処分となり、彼の近辺を常に憲兵がうろつくようになる。講演をすれば暴徒が乱入し、発表の場を失っていった。1941年には軍部の執筆禁止者リストに載り、完全に活動を封じられる。それでも水野が憲兵によって暗殺されることがなかったのは、彼が日本海海戦で活躍した元海軍大佐だったからか。手塚治虫の「アドルフに告ぐ」にあるように、それほど憲兵にマークされた人間が生き残れる確率がそう高かったとは思えない。終戦の年の秋、水野は愛媛県の病院で死去。享年71歳。「百年後の知己を待つ」と書き残した、悲劇の予言者だった。

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コメント
ひさしぶり。
なるほど面白いね。
2008-02-29 Fri 11:40 URL | ひろき #-[ 内容変更]
うわーーー、見たかった!!
やっぱりNHKはいいよね~~(←そこかよ)
2008-02-29 Fri 12:07 URL | Ayumi #-[ 内容変更]
ひろきへ
コメントありがとう。
元気そうで何より。
でもすごい短いよ!フツーはここが面白かった、とかさ…。

先見の明をもって真実を語っても受け入れられない悲劇の予言者と、何も知らずに考えずにただ毎日を暮らしている愚昧で幸せな一般大衆と、どちらがいいんだろうね。

2008-02-29 Fri 17:43 URL | ゆにん #F0Z38fwo[ 内容変更]
Ayumiへ
ほんとだよ、褒めたいのはNHKかよ。
あの番組の司会をやっている松平さんっているじゃん。彼はかの会津藩京都守護職だった松平容保と関係あるのかしらといつも思うわ。

2008-02-29 Fri 17:46 URL | ゆにん #F0Z38fwo[ 内容変更]
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