なぜ書くのか。それは、人に言葉があり、私に心があるから。
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Kangaroo Cry
2010-02-06 Sat 03:50

「冬だつた、真夜中のように暗く冷たい夕暮で、体が凍えきるまで歩いても何ひとつ心を快活にする事物に出会わなかつた。しかし、その夕暮が私の二十五歳の誕生日だつたのだ。街路樹も屋並も人々もすべて醜かつた。とくに空がひどかつた、それは汚物のような灰黒色をして斑だつた。私は自分がこの穢らしい空のもとで二十五歳の誕生日をむかえようとしているのを、一つの屈辱的な刑を執行されているもののように感じた。なんの罪のために、前世の罪か? と私は考えた。それは、いま二十五歳の青年として生きていること、それ自体の罪だ、おれには責任がない。しかし誰ひとり責任のあるやつはいないのだ、責任なしで、頭にひつかぶるだけだ。何を? この穢い空を、真冬を、暗く冷たい夕暮を。いま、二十五歳の青年として生きていること、とおれがいう。」

大江健三郎 『孤独な青年の休暇』


一人で過ごす土曜日の午後。
Blue Octoberの“Kangaroo Cry”を聴きながら、
横なぐりに雪が飛んでいく窓の外を見ながら。



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