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王都妖奇譚
2010-02-20 Sat 10:25
カニくさい部屋からこんばんは。なんでカニくさいかって、それは夕飯にカニでだしを取って野菜を(例によって一人前ではありえない量)入れて煮込んだのに味噌を加えた「カニだし味噌野菜鍋」を作ったからである。カニはおいしかったが、おかげで部屋がすごくカニくさくなった。特にお風呂から上がって部屋に入った時の濃度と言ったら……ちょーカニィ。


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さて、ちまちま読んでいた岩崎陽子さんの『王都妖奇譚』(おうとあやかしきたん)の秋田文庫版全7巻を読み終えた。あの美麗な絵柄を見て結構前の作品かと思っていたが、連載時期は1990年~2002年とのこと。いわゆる陰陽師ブームも大分落ち着いてきたが、私が最初に陰陽師・安倍晴明に触れたのは、中学の頃からエキセントリックなSF短編小説で好きだった椎名誠氏と仲の良い夢枕獏氏が原作でそれを岡野玲子さんの作画で漫画化した『陰陽師』シリーズから(←説明長っ)。あと、京極堂シリーズの中禅寺明彦も本職は晴明神社の神主で、憑き物落としをする時のこの上もなく怪しげな正装では晴明桔梗(五芒星)を染めた着物を着てたっけ。

岡野版での晴明の相棒は、とにかくロマンチストの源博雅中将(得意なものは雅楽)だったが、『王都』ではイノシシと呼ばれる藤原将之少将(得意なものは武芸)である。岡野版では純粋でお人よしで情にもろい博雅に対して、物事を見通していて世間に対してやや斜に構えたシュールな晴明が色々と説いたりするのだが、『王都』では情にもろいのはむしろ晴明の方で、うだうだと情に流されて悩む晴明に対して将之がさくさく割り切って前に進むようにハッパをかけるのだ。

『陰陽師』9巻収録の「内裏炎上ス」のラストで、愛宕山の真っ赤な紅葉を見て内裏の大火事を思い出し、やけどを負って包帯を巻いた手で顔を覆いながら「自分には、何も…できなかった」と博雅が泣く。その隣にいた晴明は、博雅の方を向かないまま、「燃えるというのはな、よいことなのだよ、博雅。壊れるというのは、よいことなのだ。炎をくぐって、新しく生まれ変わるのさ」と呟くように言葉をかける。私が岡野版『陰陽師』で一番好きなシーンだが、これが『王都』だったらくよくよしていたのは晴明で、励ましの言葉をかけたのは将之の方に違いない。同じ題材でも作者によってキャラクターの役割がこれだけ違うのも面白いが、どっちもかっこいい安倍晴明を描いた名作である。



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