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JARHEAD
2010-04-27 Tue 07:50
jarhead4.jpg

2005年の映画『ジャーヘッド』を観賞。
ジェイク・ギレンホールの濃ゆい顔とともに印象に残った映画。


アメリカ海兵隊を扱った映画の例にもれず、会話の7割が「fuck」と「shit」と「damn」でできている。『フルメタル・ジャケット』でお馴染の、鬼教官が新兵を罵倒しまくるシーンは名作へのオマージュだ。あと、みんなで『地獄の黙示録』を観ながら「行け!やれ!」とはしゃぐ兵士たちがとてもクレイジーだった。主人公は18歳で海兵隊に入り、厳しい訓練に耐え抜いて少数しかなれない斥候狙撃兵として湾岸戦争へ派遣されるが、待てども待てども敵とは交戦しない。想像していたのとは違う、「水を飲んで(hydrate)、訓練して、水を飲んで、待機して、また水を飲む」ばかりの砂漠での日々。緊張と恐怖と虚無と退屈。

中盤で主人公が見る夢は不気味で不思議で忘れられないシーン。人がたくさんいるはずの軍営で目を覚ますと誰もいない。西日の差し込む高い天井と白い壁。どこか遠くから鈴の音が聞こえるだけのあり得ないほどの静けさ。まったく現実感のないその空間は、「死の静寂」という言葉を連想させた。

ついに待ちに待った作戦命令。狙撃ポジションで息を殺しながら、スコープの向こうの標的(敵将校)を見つめる主人公。「狙撃用意…Fire…Fire…Fire――」ついにトリガーを引くかと思われた瞬間、他部隊の司令官が入ってきて「作戦はやめだ。これから空軍が来て全部終わらせる」と言う。その言葉に精神の均衡を崩す主人公の相棒。「お願いだから撃たせてくれよ…誰にも言わなきゃいい…どうせターゲットは死ぬんじゃないか…1発でいいから撃たせてくれぇぇっ!」小隊で一番理性的だった彼は暴れ回り、やがて泣き崩れた。そうして、一発も敵に向かって発射することのなかった銃弾。唯一銃を撃ったのは、戦争終結のパーティ(バカ騒ぎ)の中で。唯一仲間が死んだのは、実弾を使った訓練の中で。

最後、アメリカ本土に帰還した彼らのバスを町の人々が出迎える。ほっとしたものの、釈然としない顔をしている帰還兵たち。「よく帰ってきた!英雄諸君!本当によく帰ってきた」とバスに勝手に乗り込み、握手をして回るベトナム帰還兵の男。数十年たってもまだ戦争にとらわれ続け、中身のない誇りにすがりついているその男のくたびれた姿を見て、主人公は「Every war is different. Every war is the same.」と思う。自分もまた、あの砂漠にとらわれ続けているのだと。――And, we're still in the desert.



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