なぜ書くのか。それは、人に言葉があり、私に心があるから。
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山の怪談
2010-07-28 Wed 06:24
誰か、こんな話を聞いたことはないだろうか。
どこかで聞いたのだが、よく思い出せない。

「ある二人の男が雪山に登った。仮に二人の名前を高木と岡田とする。二人は十分な食料を持って行ったが、吹雪に襲われて尾根にある避難小屋に逃げ込んだ。食料を切り詰めながら待っていたが、何日経っても吹雪が止まない。夜になると小屋の壁の内板をはがして暖を取るけれど、とにかく寒い。十分に食べていないから余計に寒い。そんな極限状況の中で、高木はついにピッケルを岡田の後頭部に叩き込んで彼を殺してしまった。これで食料の残りは自分のものになる。

高木は岡田の死体を運び出し、雪に穴を掘って埋めた。その夜、彼はたき火の側でうとうとしていて、妙な気配に目を覚ますと恐怖に目を見開いた。自分の横には、埋めたはずの岡田の死体が座っていたのだ。死体は完全に冷たいし、こびりついた血もそのままだ。高木はがたがたと震えながら岡田の死体を外に運び出し、もぬけの空になっている同じ穴に埋めた。戻って火のそばにいると、またうとうとしてきた。次に目が覚めた時、高木はついに悲鳴をあげた。岡田の死体がまたもや横に座っていた。高木はそれを運び出して埋めるが、気付くと死体は小屋の中に戻ってきていた…。

三日後、救助隊が高木のいる避難小屋にたどり着いた。救助隊は、小屋の前で一心不乱に雪を掘っている高木を発見する。どうしたのかと声をかけると、高木はうつろな目で「友人がここに埋まっていて、寒い寒いと言っているんです。早く掘り出して小屋に入れてあげないと」とうわ言のように言った。救助隊員の見ている前で高木は死体を掘り出して背負い、小屋に入って死体を隣に座らせると眠ってしまった。高木は自分で繰り返し岡田の死体を掘り出して小屋に連れ戻していたことを、全く覚えていなかったのだ。」



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