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「絡新婦の理」読了
2007-11-08 Thu 17:19
また読んでしまった、京極夏彦氏のレンガ本。(←厚くてレンガのような形の本のこと。)「絡新婦の理」(じょろうぐものことわり)、京極堂シリーズ第五弾である。

今までに読んだ五冊を好きな順に並べるなら、
①魍魎の匣
②絡新婦の理
③鉄鼠の檻
④姑獲鳥の夏
⑤狂骨の夢
といった感じだろうか。
ちなみに読んだ順番は、姑獲鳥→鉄鼠→魍魎→狂骨→絡新婦。
シリーズものなんだから発行順に読めば良かったのにそうしなかったのだ。

この「絡新婦の理」はなかなか面白かった。今度の思想的モチーフは「フェミニズム運動/近代化に伴う民俗学的な女性の立場の変化」といったところ。近代化と貨幣経済が女性から神性を奪い娼婦に堕したのだそうだ。しかし日本はやっぱり夜這いの国なのねー。

文庫で堂々1374ページだが、それでも飽きないのがすごい。今回は、本来最後に来るべき数十ページの種明かしを冒頭に持って来るという手法が取られたが、1374ページも読んだ後に冒頭の内容なんて覚えちゃいないので、きっと誰もが読み終えてすぐに最初に戻ったに違いない。

中でも呉美由紀の元に祖父の仁吉が訪れる場面が好きだった。世界が崩壊しそうなほどの波乱に揉まれている美由紀を見て、仁吉じいちゃんは孫娘に力強い言葉をかけて彼女の精神を立て直すのだが、あそこは京極堂シリーズで一番の泣ける場面じゃないだろうか。この美由紀というのが芯の強い少女で、そのキャラクターへの好感が作品の評価を上げたといえる。

それから本作のもう一つの特徴は、いつもは語り部役の関口がほとんど登場しなかったことだ。当初、京極堂と関口はホームズとワトソンのような役回りだったのだが、私はこの鬱病の小説家・関口がどうも好きになれなかった。躁病の榎木津はまだたまにしっかりとした事を言ってすかっとさせてくれるが、鬱病の関口はいつでもウジウジとしているだけで埒が明かないのだ。だから、ひどい言い様だが彼が最後にちょろっとしか出てこない今回の話は気持ち良く読めた。

「話が面白かったー」と共に「こんな本を読んだ自分がすげー」という満足感を与えてくれ、かつページの数だけ濃い内容が詰まっている京極さんの本でした。

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